よくわかる相続講座

遺言書を書く場合に注意すること

遺言書には何を書けばいいのか?

書店には、遺言書の書式を紹介した本がたくさんありますが、実は、こうした本を書き写すだけでは、良い遺言書は書けません。
遺言書を作るためには、自分の事例に即して、本に書かれたサンプルを組み合わせることが必要になりますし、場合によっては、本に書いてない文章を作ることも必要です。
良い遺言書作りは、服に例えれば、既製服を買うのではなく、オーダーメードでピッタリの服を作るようなものなのです。

遺言書の内容が適切でなかったときには、せっかく遺言書を書いたのに、
 ・遺言書が使えない
 ・遺言書の内容に問題があるために、子供達が争った
ということになりかねません。

この動画では、私が様々な事件を見てきた経験から、
 「このような遺言書にならないように注意してほしい」
という点を説明しております。

実際に「自分の場合、どのような文章と文言を書けばいいのか?」については、遺言書作りは「オーダーメード」ですので、個別にご相談下さい。

なお、多くの遺言書を見てきた経験上、服を作る職人の腕に差があるように、遺言書の文章を専門家(弁護士等)が作った場合でも、その内容には大きな差があります。
大切な遺言書ですので、相続相談を利用して、どの専門家に頼むかを慎重に検討して下さい。

動画編

テキスト編

こんにちは。ロウタス法律事務所の弁護士の高橋です。今回は遺言書を書くときの注意点について説明をさせて頂きます。

(0:11~0:57)
まず遺言書、別の回で大きく分けてよく使うのは自筆証書と公正証書がありますよという話をしました。公正証書が、文章自身は公証人という法律のプロの方が聞き取り書きをしてくれるのであまり書き方に気を配る必要はなくて中身さえ気をつかえばいいんですが、自筆の場合には法律の専門家でない一般の方が書きますので、書き方が悪かったということでせっかく遺言書を作っても使えないということが珍しくないです。なので自筆で書かれるという方のために、何を気をつければいいのかということを説明させていただきます。

(0:58~3:23)
まず最初に自筆の場合には法定の要件、これは満たして下さいと。当たり前の話ですが、これは何かというと全文自筆ですよね。それから日付を入れて、署名をして、押印してくださいと。まあこのあたりは皆さんご存じだと思います。
じゃあ次は文章の表現ですね。文章表現を書くときに気を付けて頂きたいことがあります。極論しちゃえば何かというと、何を誰に渡すのかという事をしっかり書いてください。こんなこというと、遺言書書くんだから書くに決まってるだろうと思うかもしれませんけれども、それは書いた人(遺言者)や、それから受遺者っていうんですけどもらう人がわかればいいのかっていったらこれ関係ないですから。普通の契約書だとかそういった意味であれば、あげる人ともらう人が何を誰に渡すんだということが分かれば問題ないはずですけど、これ遺言書に限っては、書く人ともらう人が何を誰がもらうのかわかっていても、それだけじゃ遺言書として使えません。じゃあ誰がわかればいいのか。これは相続のことで散々何度も何度も言ってるんですが、遺産相続のゴールはどこかっていったら、法務局であるとか銀行、こういったところで名前を変えたりお金を払い戻す手続を、銀行や法務局が受け付けてくれる、これがゴールです。そのために遺言書を作ったり、遺産分割協議書に判子をもらうために皆さん努力するわけです。そうすると先ほどの話に戻りますけど、遺言書の文章というのは、あげる人ともらう人がわかっていても、それを見た法務局や銀行の人がわからなければ、その遺言書使えません。

遺言書を書く場合に注意すること

(3:24~4:23)
じゃあどうやって特定しましょうという話ですが、「何を」という話については、不動産についていえば、不動産は何で特定されるかというと登記簿で特定されます。そうすると、この不動産は誰に、この不動産はこの人にとかいう遺言書を作るのであれば、どの不動産か特定できるように登記簿を確認して登記簿の記載通りに書いてください。じゃあ次、預金だったらどうなるのっていう話でいうと、これは通帳の表紙をぺラッとめくるとその預金通帳に関する記載がありますよね。通帳であるだとか、あとそれから証券ですね、定期預金証書みたいなものですね。これの記載通りに特定をしてくださいという話になります。

遺言書を書く場合に注意すること

(4:24~5:43)
次、「誰に」ていう話なんですけど、日本ではどうやって人を特定するか、個人を特定するかというと、これは戸籍です。個人の場合はね。そうすると「誰に」っていうのの記載の仕方は、戸籍に基づいた記載の仕方にしてくださいということになります。例えば名前だけで記載をしたとしますよ。遺言書を見た銀行や法務局は、同姓同名の人が日本中に他にいるかもしれないよねってことを考えるので、それじゃ無理ですよってことです。戸籍の記載を使って、どうやってもこの人以外にないなということがわかるようにしてください。ちなみにお寺さん、宗教法人に渡したいだとかっていう場合には、これは法人用の登記簿というのがあります。商業登記といわれるものなんですが、法人の登記簿の記載で特定をしてください。

遺言書を書く場合に注意すること

非常に面倒くさいんですが、こういうふうにちゃんと裏付けをとっておかないと、いざ亡くなった時に使えません。

(5:43~7:30)
実際にうちの事務所に相談に来た件でも、使えなかったということはあります。例えばですよ、ある方が、Aさんがいて、太郎君というお子さんがいました。で、この人が不動産をいくつも持っています。例えば1つが愛知県の日進というところにあって、もう1つが名古屋にあって、さらにもう1つは岡崎にでもあったとしましょうか。こうやってあったときにAさんは、日進のマンションは太郎君にあげるというふうに書けばAさんも太郎君もどれのことなのか、誰がもらうのかというのはわかるはずです。Aさんから財産をもらえそうな身内の方で太郎さんという人はこの人しかいないということであればね。実際そうゆう遺言書、私は見ました。で、案の定ですけど、この太郎さんという方は「やった。遺言書があるぞ。」ということで法務局に持っていったら受け付けてもらえませんでした。

遺言書を書く場合に注意すること

つまり遺言書書いてもらってたけど、紙きれだということです。法務局で受け付けてもらえないということはどういうことかといったら、それ遺言書として使えないので遺産分割協議をしなきゃいけないんじゃないですかと、そうゆう話にもなりますよということです。ということで自筆で書こうとされる方は、くれぐれも書き方に気をつけて下さい。ちなみにこういった笑い話のような失敗というのは、公正証書にした場合にはまずないです。それは公証人が物の特定の仕方、それから預金の特定の仕方というのをわかっていますから、あんまりいい加減なことを書こうとするとちょっとこれじゃあダメだよという話になるはずです。

(7:31~9:58)
じゃあもう1つの話、これは自筆証書、公正証書遺言共通の話なんですが、どういう遺言書を書いたらいいんだろうという中身の問題ですね。これは気をつけるべきポイントはいくつかあります。大きく言うと3点ですね。私なんかが遺言書の案文を相談受けて作る時に気をつけるのは3点。何があるかというと、まず第一は遺留分対策です。遺言書を作る目的が何かによって異なるんですけど、『争ってほしくない。』そのために遺言書を作るのであれば、財産の取り分が少ない人の遺留分を侵害しないように必ず対策をして下さい。そうでないと、この遺留分の戦いというのは遺産分割の事件よりも更に激しい戦いをします。本当に兄弟で一番ドロドロの戦いをするのはこの遺留分という場面です。親が亡くなった時に親の遺言が基で子ども達が遺留分の兄弟げんかを始めるとどうなるかというと、結果としては子ども達口をきけなくなります。それからもう一つ、親の立場から言うと、例えば親が亡くなりました。初盆があります。一周忌があります、という時にもう子供たち口きけなくなってますから、子どもたちが2人揃って自分の遺影に手を合わせてくれるということはあり得ません。まず。たいてい私が受任した案件では兄弟それぞれ別々に位牌を作って別々のお寺で供養をするということになります。なので争ってほしくないなぁという人は、大体そういう遺言書書いてしまうと、子どもにも恨まれますからね。親がちゃんとした遺言書を作っておいてくれなかったから、自分たちが裁判所でね兄弟血みどろの戦いをすることになったと。もう少しちゃんと遺言書を書いてくれればよかったのにということで、財産残してあげたのに、子どもに感謝されないということになりますので、遺留分対策はまずしっかりやってください。

遺言書を書く場合に注意すること

(9:58~12:07)
じゃあ次。次に考えることは何かというと、執行可能かということです。ちゃんとその文書だけで執行ができるような文章になっているか。その遺言書を執行実現するために「これ、どっちなんだろう?」と判断しなきゃいけないことがないだろうかということです。例えばですよ。これ自社株です。例えば、あるお金持ちの方がいて、自分で経営している会社の株がある。それが会社に貸したりだとかしている不動産がある。それから自分が住んでる不動産がある。その他、株だの預金だの色々債権だの財産がいろいろあります。 これを例えばAさんがいて、その子どもが2人いる。「平等に分けてほしい。だけど会社の株と会社に使わせている不動産は長男に渡して欲しい。」こういう文書作りたいとしたら、これだけじゃ、まず実現不可能。どうしてか。これ全体を合わせていくらと評価して、株と不動産を更にどう評価して、長男に全遺産の半分になるように渡すと、いう風にするにはどういう計算したら良いんだっていうのが遺言からわからないんですね。そうすると遺言実現する時に、これどうしたらいいんだっていう話になって、結局裁判やらなきゃいけないんだろうかという話になりかねない。なので、ちゃんと本当に執行できるだろうかということを考えなきゃいけない。

遺言書を書く場合に注意すること

(12:07~13:18)
あとそれから遺言作る時に考えなければいけないのは、遺言が使われるのは亡くなってからなんですけど、遺言はいつでも作れます。遺言作ってから15年後に遺言執行しようとする時に財産の構成が変わってるかもしれない。そうするとプラスあげようとしている人にあげれないかもしれないということもある。そういった不測の事態を全部考えてどういった中身にするか考えなければいけない。
あとそれから遺言を確実にするのであれば遺言執行者。こういう人を入れておくということも非常に大事です。これものすごく大変で面倒くさいんですね。で、こういったことを親が亡くなって悲しみに暮れている子どもたちがやるっていうのもなかなか大変ですし、仕事休んでやるのも大変。あとそれから、兄弟のどっちかがですね、財産もらう方が他の人に対して「自分が遺言執行者だ」とか言ってですね、あれこれやるとカドも立ちますから、そうすると遺言執行者というのをちゃんと選んでおいた方がいいです。

遺言書を書く場合に注意すること

(13:19~14:48)
3番目なんですけど、これはあまり皆さん法律家の方は言わないことがあるんですが、付言といって、おまけの言葉。これも結構大事です。

遺言書を書く場合に注意すること

何が大事かというと、財産のことしか書いてないとですね、どうして親がこんな遺言を自分に残してくれたのかわからない。もらう分が少ない子どもとしては、親は自分のことが嫌いだったんだろうか、親はお兄ちゃんの方が好きだったんだろうかという風に勘繰るのも無理はないという話なので、なんでこういう遺言にしたんだっていうことも、本当にラブレターのようにですね愛情込めて書いてあげると。こういったことが遺言をのこされた方にすんなり受け入れてもらうために非常に重要だということになりますので、せっかく遺言書を作るのであれば、もし遺言がなかったとか、遺言が不備でですね、子どもたちが争うとなると、それにかかるお金と時間は莫大なものです。
あとそれから失うもの。兄弟間の信頼、親への感謝。そういったものも失われます。そういうことを考えるのとですね、せっかく遺言を作るのであれば、ちょっとお金と手間がかかりますけど、ちゃんと公正証書にして、専門家に中身を相談して書くべきだと、私としては強くお勧めしたいところです。
ということで遺言書を書くときの注意について、今日はご説明させていただきました。ご静聴ありがとうございました。

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