337 被相続人の生前及び死後に多額の預金の払戻しが行われていた事例案
事案の概要
・Xが当事務所依頼者、Yが遺産分割の相手方、Aが被相続人
・●は、相続人、被相続人ではなく、既に死亡している人、
・○は、相続人、被相続人ではなく、生存している人
・横線は婚姻関係を示し、縦線は親子関係を示す(実線が実親子、点線が養親子)
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- 被相続人Aが亡くなった。相続人は、Bと、その他兄弟(上記でいう○)。
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- その後、Aの遺産分割がされないまま、被相続人Bが亡くなった。Bの相続人は、配偶者であるY1と、子のX。
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- そのため、Bの遺産は、B名義の財産と、A名義の財産の法定相続分。
- ①
- Xは、Y1が分不相応の預金を有していることを知ったため、Bの遺産を調査したところ、B名義の預金から、Bの死亡前後に多額の払い戻しがなされていることが発覚した。
- ②
- Xは、Y1の責任を追及するために当事務所に依頼。調査の結果、②の払戻しにY1だけでなくY2も関与していることも発覚。
- ③
- そこで、Y1、Y2及びY1に対して預金の払い戻しを行った金融機関であるY3を相手に訴えを提起。
- ④
- 裁判中に、Y1がA名義の預金をも払い戻していたことが発覚。
問題になった点と当事務所の事件処理
①問題になった点
Y1がAやBの預金の払戻しを否定した点、払い戻された預金の原資が、A由来なのかB由来なのかが明確でなかった点及びBの預金をY1に払い戻した金融機関Y3の責任などが問題になりました。
②受任後の処理と結果
当事務所では、収集した証拠により、AやBの預金の払戻しを行ったのがY1であることを立証するとともに、その行方ないし使途について詳細な主張を行いました。
その結果、預金が払い戻された際の状況等が明確になったため、その内容を踏まえた和解を成立させることができました。
以上