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よくわかる相続講座

相続税と遺産分割手続きの関係

遺産分割とは直接関係ありませんが、遺産分割を行う人は相続税についても、この動画で説明している程度の知識は持っていたほうがいいです。

まず、相続税の計算するときと、遺産分割で相続分を決めるときでは、ルールが共通する部分もありますが、ルールが異なる部分も多くあります。
ここを理解しておかないと、相続税(税金の世界の問題)の理屈に従って、遺産分割協議書(法律の世界の問題)をまとめてしまい、後悔することがあります。

また、相続税申告手続と遺産分割協議手続を混同して、慌てて遺産分割協議書に押印してしまって後悔する人もたくさん見て来ました。

さらに、平成27年以降、相続税の課税対象となる遺産分割が飛躍的に増えると予想されています。

法律の問題に加えて税金の問題まで理解するのは大変ですが、悔いのない相続のため、あと15分だけ(この動画を見る時間です)お時間をいただければ幸いです。

動画編

テキスト編

こんにちは。ロウタス法律事務所の弁護士の高橋です。さて、今回は一通り遺産分割の手続きについての説明をしてきましたので、相続税との関係のことについて説明させて頂きます。ただ、これから私がお話しするのは、具体的に相続税がいくらになるのか、という話ではなくて、相続税の制度と遺産分割の手続きがごっちゃになっている方がよくみえますので、相続税というものと遺産分割手続きというのが、どう関係するのかということに絞って説明をさせていただきます。

(0:38~1:18)
まず、相続税。これは、相続税というのは税務署の問題ですね。遺産分割手続きといううのは、本人同士で話し合いがつかなかった場合には、どこに持ってくかっていったら裁判所に持ってきますが、同じように相続税、遺産にかかる税金です。遺産分割、遺産の分け方です。同じように遺産を扱うんですけど、ルールが若干違います。そこをちょっと整理してみましょう。

(1:19~3:56)
まず、何が遺産か?という話でいいますと、どちらも基本的に共通するのは、これが遺産であると死亡時の被相続人の名義財産が遺産だよっていうところはどっちも同じなんですが、税金の場合ですね、過去の話が入ってきます。亡くなる3年前に行われた贈与、これも遺産に加算して相続税をはじき出します。それから、相続時精算課税という制度を使って贈与を行った場合にも、これは遺産だよというようになります。なんですが、じゃあ裁判所の場合はどうか?死亡時以外のものは何かと言ったら、これは何度も言ってるように特別受益の持ち戻しという制度で調整をしますね。あとそれから寄与分の控除というのもありますが、こういった制度は相続制の世界にはないです。しかもこの特別受益の持ち戻しとか寄与分の控除というのは、これは相続人同士で争うに場合には期限なしです。どれだけ遡ってくれてもいいです。ですけど税務の世界では3年内の贈与だけです。特別受益と3年内の贈与というのは被る部分もあるんですけどね。ちょっと違いますよと。

相続税と遺産分割手続の関係

(4:02~6:13)
では、遺産の評価の問題ですね。遺産分けで揉めるとですね、遺産いくらで評価するんだという話になるんですけど、裁判所と税務署は基本的に考え方が全然違います。税務署はどのように評価するんだというと、評価のやり方はそれぞれ色々とあるんですけど、一番大きな違いは何かっていうと、各種の控除があります。例えば、基礎控除といわれるのものであったりとか、これが非常に大きいんですけど配偶者の控除とか、それから小規模宅地であるとかね、あとはそれに似たものである広大地だとかね、こういったもの。それからあとは未成年であるだとか、障害者であるだとか、こういった場合の控除もあるんですけど、裁判所が遺産いくらだ、みなし遺産をいくらにするんだという話をする時には、こういった控除は一切ない。

相続税と遺産分割手続の関係

現に私のところに相談があったんですけど、相続税の申告書の評価を元に、その評価額を元に遺産分割で自分のもらう分を決めたと。でもよくよく考えたら、相続税の評価額ってこういう色々な控除があるよね。おかしいじゃんって話なんですけど、後の祭りです。遺産分割というのは、そもそもハンコを押してしまえば自分の取り分は無しでもいいんです。でもその人は相手の雇った税理士に相続税の計算書を見せられて、要は遺産評価額ってのはこういうものなんだよ、だからあなたの取り分はその4分の1だから、これだけあげれば十分だよっていう風にうまいことしてやられたってことですね。そういったことの無いように、税金の世界と裁判の世界とは違うんだっていうことを抑えておいてください。

(6:14~7:59)
あともう一つ、みなさんに抑えておいてほしいことがあるんですけど、期限の話。
よくですね、遺産分割をまとめようとする人がハンコを押させる理由に使うのが「期限」です。相続税の申告期限が迫っているから、印鑑を押しなさいと言って、遺産分割協議書にハンコを押させるという手がよく使われるんですけど、これは嘘です。相続税の世界、期限についてなんですけど、この税の世界では、相続の開始から10カ月です。とにかく相続開始から10カ月以内に相続税払いなさい。相続税を申告して、相続税の申告書作って出して税金を納めなさい。これは10カ月で必ず来ます。が、裁判所の世界では期限はありません。遺産分割というのはいつやってもいいです。

相続税と遺産分割手続の関係

代が変わっておじいちゃんの相続をひ孫同士がやると、100年ほっといてひ孫同士が戦うと言っても全然できます。だからよくここ(期限)をごちゃまぜにしてハンコを押させようとする人が多いんですけど、相続税の申告期限があるから遺産分割協議書にハンコ押せというのは、よく使われるんですけどこれは間違いなので引っかからないようにしてください。

(8:00~12:42)
で、次なんですが、本当に10カ月以内に遺産分割協議まとめなくていいのかというと、いいにはいいんですけど、それなりのデメリットはあります。相続開始から10カ月以内に相続税の申告をしない場合、どうなるかというと、相続税の申告を2段階で行います。相続が開始しました。ここから10カ月以内に、まず相続税の申告と納税を行います。で、そのあと引き続き遺産分割協議をして、遺産分割がまとまりましたという話になったら、ここで修正申告というのを行います。修正申告ってニュースなんかでもよく聞きますよね。税金の世界というのは全部自己申告の世界なんです。自分で税金の計算をして、これが払うべき税金ですって言って、お金を払うんですけど、間違ってることもあるので、そういう時にはやり直しという話になります。そうするとどうなるかっていうと、遺産分割が10カ月以内にまとまらない時はどうすればいいかっていうと、まずとりあえず遺産分割がまとまっていないものとして相続税を払います。で、遺産分割を行うとここはどうするかっていうと法定相続分通りです。法定相続分通り財産をもらったとして、相続税の申告と納税をします。で、遺産分割が決まると、実際には法定相続分きっちりといくんじゃなくて若干ずれます。そうすると、たくさんもらった人は修正申告で余計に税金を払うし、法定相続分より少ない遺産しかもらってない人は修正申告で還付を受けると。税金を追加で納税するか還付かっていう話ですね。

相続税と遺産分割手続の関係

ただ、実際にはですね先ほど私、相続開始から10カ月以内に遺産分割まとめないとデメリットがありますよっていうことを話しました。実際には相続開始までに遺産分割をまとめておいた方が相続税等の面ではメリットがあります。どういうことかというと、遺産分割がまとまらない状態で相続税を払うと控除が使えないんですね。例えば配偶者控除という相続の世界では一番大きな控除が使えないんです。そうすると、とりあえず払います、税金をドーンと。で、遺産分割が終わったあとで晴れて例えば配偶者控除なんかを使って、税金をがっつりと払った税金を取り戻すという作業をするんです。
そうすると長い目で見ると、別に損があるわけじゃないんですけど、本来払わなくていい物を一旦税務署に納めて遺産分割がまとまるまで税務署にずっと預けっぱなしという状態なんですね。そうすると、遺産はまだもらってもいないのに相続税の納税資金を出すと。あとから帰ってくるお金だけど、現実問題それは金額が大きくなるとちょっと大変だなって話なんです。そうするとどういう話かというと、遺産分割をまとめて相続税の申告を行った場合には、控除がきいて、あまり相続税を払わなくていい人だとかですね、後はもう一つ、遺産分割とこの相続税の申告の順序が逆だったらどうなるかというと、この納税をどっからやればいいのかというと、遺産から払えばいいんですよ。

相続税と遺産分割手続の関係

遺産を越える納税額っていうのはあり得ない話ですから、もらった遺産から税金払えばいいんです。ところが、遺産分割終わるまで税金払おうと思うと、遺産は貰ってないのに税金は払わないといかんって話になります。とういうことを総合すると、遺産分割で、例えば弁護士立てて戦うぞという時に、私遺産が大きい人にはいつも言うんですけど、相続税を一旦払う覚悟をしてくださいねと。相続税を一旦払えると、自腹で払うという覚悟があると、その資力があるんだったら、遺産分割徹底的に戦いますよと。なので、相続税を払うような遺産分割の方は、十分注意してください。

(12:42~14:25)
あと一つだけ、相続税の話について言ってみると、平成27年。ここを境に相続税が全く変わります。というのは、今の現在の税制では全遺産分の相続のだいたい4%くらいしか相続税が発生する案件かないんです。20軒に1軒もないぞと。これがちょっとはてななんですけど、例えば30%越えるんじゃないかとか、40%いくんじゃないかと言う方もいます。

相続税と遺産分割手続の関係

相続税がものすごく値上がりするんです。相続税の対象もものすごく増えます。どれくらい増えるかというと、簡単に言うと都市部でですね、マイホームと預金を若干持ってると、そしてお子さんと奥さんが相続するぞみたいな時には、たいてい引っかかってきます。相続税。なのでサラリーマンの方は今までは遺産分割なんて、相続税なんて関係ないよという風に考えてる方が多かったんですけど、苦労してマイホームを作って、なおかつ老後の資金を若干貯めておいたりすると、たいてい相続税が必要だという案件になるので、相続税、27年より後に亡くなったらです。27年相続開始です。27年1月1日より後で亡くなった方には相続税が全然違いますので、遺産分割をするにあたっても相続税を払う案件だろうか、相続税の支払いが足を引っ張るんだろうかということを検討してください。
ということで、相続税の支払いというのが遺産分割手続きにどういう影響を与えるかというお話をさせていただきました。ご静聴ありがとうございます。

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