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よくわかる相続講座

特別受益の持ち戻しとは?

この動画では、「特別受益の持ち戻し」とは、どのような制度であるかを説明しています。
また、相続人が現実に利益を受けていても、「特別受益の持戻し」が認められない場合もあります。
それは、「特別受益ではない」「持戻しは認めない」と判断される場合です。
この動画では、そのような点(特別受益の持戻しが認められない場合)についても説明しています。

なお、特別受益の持ち戻しは、実際の遺産分割ではとてもよく問題になります。
各家庭によって、事情は異なりますので、このビデオでは考え方のみ説明しています。

動画編

テキスト編

こんにちは。ロウタス法律事務所の弁護士の高橋です。今日は遺産分割で非常によく争いになる特別受益の持戻しという制度について説明をさせて頂きます。

(0:16~3:19)
まずは特別受益の持戻しというのはどんな制度だろうかというのを簡単に説明します。遺産分割において、それぞれの相続人がどれくらい財産を取得することができるんだろう?というのは、基本的には遺産に法定相続分をかけると決まってきますよという話を法定相続分のところでさせて頂きました。ですが実際には遺産だけを計算するわけにはいきません。

特別受益の持戻しとは?

どうしてかというと遺産というのは2つ大きく基準がありまして、被相続人が亡くなった瞬間に、被相続人の名義である財産、これを遺産であるというふうにまず考えます。そうするとどういうことになるかというと、生前贈与があった場合には不公平なことになります。これだけをやるということになると。どういうことか?親が亡くなった時に子供たちのうちの1人の誰かが生前贈与を受けたとする。もしこの生前贈与がなかったら、その生前贈与された財産というのは遺産として、親の名義の財産として残っているはずです。ところが生前贈与で親の遺産から子供の財産に移ってしまったものを、兄弟姉妹で分ける対象にしないということになるとどうなるかというと、これ不平等な結果になりますよね。つまり、お子さんが何人かいる場合にね、兄弟姉妹の取り分ていうのは頭割りで平等だという話をしました。ところが例えば長男だけすでに生前贈与でもらってるよということになると、これ(生前贈与)を全く分けない、こっち(遺産)だけ分けるということになると兄弟姉妹で不公平になってしまう。そうすると、じゃあこれ(生前贈与)を遺産にひっつけよう。遺産にひっつけてこの生前贈与と親が亡くなった時に親の名前として残っている財産を足して、これに法定相続分をかけてそれぞれの取り分を決めよう。この生前贈与を財産にひっつけること、これを持戻しと言います。

(3:20~4:55)
じゃあ次、今この持戻しという言葉の意味を説明しましたが、特別受益っていうのは何だろうという話なんですが、法律にはどういうふうに書いてあるかといいますと、婚姻のためであるとか養子縁組をするため、または生計の資本として使うための贈与であるとか遺贈、これを持戻しましょう、これを特別受益といいます。

特別受益の持戻しとは?

ちなみに何で遺贈が特別受益に入るかというと、これは別に遺贈というのは亡くなった方の生前に贈与されるものじゃないんですが、遺贈というのは遺言書による贈与です。遺言書によりこの財産はこの人に相続させるというような遺言書があると、もうその財産は遺産分割いらないわけです。遺産分割関係なくその人だけがもらってしまう。特別受益の持戻しっていうのは、遺産分割で誰がどれだけもらうんだという分け方の話なので、遺贈を組み込まないと平等にならないねってことなので、簡単に言うと婚姻・養子縁組・生計の資本としての贈与と遺贈を全部組み合わせて足して特別受益といって、これを遺産にひっつけて計算しましょうという話になります。

(4:56~11:20)
ここから先が問題なんですが、じゃあ先ほどの婚姻のための贈与であるだとか、養子縁組のためだとか、生計の資本にするための贈与というものが特別受益に当たるというふうに言いましたけれども、じゃあ実際に何が特別受益に当たるんだ?

特別受益の持戻しとは?

例えば金銭を贈与した場合は特別受益に当たるんだろうか?不動産を贈与した時には特別受益に当たるんだろうか?というと、これは一律には決まらないです。というのは法律の書き方は先ほど説明したように婚姻・養子縁組・生計の資本という書き方しかしてませんので、財産の種類別にこれは特別受益に当たる当らないということはしません。
じゃあ実際に金銭の贈与が行われました、不動産の贈与が行われました、こういった時にそれが特別受益に当たるのかどうなのかっていうのをどうやって判断するんだということになると、基本的には先ほどの婚姻のためか、養子縁組のためか、生計の資本のためかというところできるんですけど、じゃあ実際にそれが当たるのか当らないのか。当たるとして渡したお金のうちいくらが特別受益になるんだという話を考えるときには、大きく2つ考えなきゃいけない要素があります。それが何かというと、扶養という問題と持戻し免除の意思表示というこの2つが、実際には、ある財産の移動が特別受益に当たるのか当らないのかというのを考える上で非常に足を引っ張るというか、これは特別受益に当たらないよという根拠になります。

特別受益の持戻しとは?

どういうことかといいますと、XYというご両親のもとにABCという子供がいる。でXが亡くなった。この時にAに対して、例えば結婚する時に渡した贈与であったとか、生活費の足しに使いなさいよというふうに言って渡したお金が全部特別受益に当たるかというとそうではない。
まず扶養という問題がある。これは何かというと、親と子の間にはそれぞれ扶養義務というものがあります。そうすると親から子に財産が渡っていたとしても、これは扶養の範囲内だよねという話であれば、それはもう特別受益の持戻しだという話にはならない、特別な受益ではない。この特別っていう部分ですね。お金はもらったかもしれないけど、それは扶養義務の範囲として親が当然にやっていることだ。じゃあ遺産分けの時にこれで遺産の取り分を調整しようなんてことはしません。
あとそれから、持戻し免除の意思表示。これは何かというと、親が子に財産をあげる時にこれを遺産分けで考慮するなというふうに考えている場合があったとします。もしそういうふうなことを親が考えて、これは特別にAにだけあげようと思っているのであれば、その意思を尊重しようということです。どうしてそんなことが起こるかというと、この親のXさんというのはもともと遺言を書いて自由に誰がもらうかっていうのを決めることができる立場にありますね。そうするとXさんがAにだけある財産を持ってほしいと、他の兄弟よりも多くもらってほしいと思っているんであれば、なんとなれば遺言を書けばいいだけの話ですから、遺言と同じようにあげたものについては相続の時に考慮に入れてくれるなというふうにXさんが言えば、当然それも有効だということになります。
で、この持戻し免除の意思表示というのが非常に厄介なのが、遺言というのは必ず遺言書という紙に書いて明確になってますが、持戻し免除の意思表示というのは黙示といって、目に見えない形の持戻し免除の意思表示、つまり親が今、例えば長男に不動産をあげた、それからお金をあげた。だけどこれはその分だけ多く長男にもらってほしいと思っているって心の中で思っているということでいいんです。口にしたり紙に書かなくても。なので状況をあれこれと説明して、これは親が持戻し免除の意思表示をもって黙示に出したに違いないということを主張することによって、仮にお金の移転があったとしても特別受益の持戻しに当たらないと言うことができます。ただ持戻し免除の意思表示というのはちょっと制限があって、遺留分を侵害することはできません。持戻し免除の意思表示を使って子供のうち誰かにたくさんあげるといっても、遺言書が自由に書けるといっても、遺留分というのはBさんやCさんがその預金ならばもらうことができる。これは非常に強い権利なので、これを減らすような持戻し免除の意思表示は認められないという話になります。

特別受益の持戻しとは?

(11:21~12:41)
ということで、特別受益の持戻しという制度を使うためには、まずはどういったお金の移転があったのかという事を考えます。不動産であれば大抵は生計の資本ということになるでしょう。金銭であっても、例えば金額が少額だと、例えばこれは社会的な礼儀として当然これくらい渡すだろうというような小使いだとかそういったものであれば、まあそもそも特別受益にもならないという話だし、生計の資本だということにも考えられないでしょう。金額がある程度一定の金額だとしても、扶養義務の範囲内だというふうに言われたり、持戻し免除の意思表示があったんだというふうに言われたりするということです。
一番最初にお話ししたように、特別受益の持戻しというのは実際に遺産分割を行う時にはここが1番揉めることが多いです。じゃあなんでここで揉めるのかという話を、時間を改めてまた説明させていただきたいと思います。本日はご静聴ありがとうございました。

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